■ウェブ広告は誰も見ないことがあり得る
――世界的な経済危機で、ネット広告市場も環境が厳しくなっています。影響はありますか?
企業がウェブサイトを真面目に考えるようになってきたと思います。僕は“おもしろデザイナー”のような位置づけになっていて、「何か面白いものを作ってください」という仕事が結構あったのですが、最近はだいぶ少なくなりましたね。
やはり広告はこれから「おとなしムード」になると思います。でも、いまコンテンツをどーんと立ち上げたら結構拾ってもらえるので、チャンスだとは思っています。
――電通や博報堂もインターネット広告に取り組み始めています。
広告クリエイティブ系はこれから難しくなるんじゃないかと思います。いま、創作的にちょっと飽和状態になっている。ネタは出尽くした感があるんです。それに加えて、経済危機による沈静ムードもあって、何か打開しないといけない感じがあります。
僕がデザインの仕事を増やしているというのも、「いま広告の分野でこれがいいです」と胸をはって出せる案があまりない。広告キャンペーンって本当に意味があるんだっけ?という感じが付いてまわっているのに、なあなあでやっている。1回総決算されてもいいと思うんです。
これまで本当に意味があった広告もあれば、ないものもあった。広告キャンペーンは効果がある時はそれなりにあると思うんですが、ダメだったときは目も当てられないでしょう。テレビCMはつまらなくても目に入るけれど、ウェブはつまらなかったら、誰の目にも触れない。名だたる大企業でも、下手したら週に50アクセスで、そのうち関係者が35アクセスといったことがあるんじゃないかと思うんですよ。怖いですけれど。
――2008年はUNIQLOCKが国内外の広告賞でグランプリを受賞しましたが……。
話題を振りまいてくれてよかったですね。その影に隠れて、誰も見ていない“死屍累々”のコンテンツの量はすごく増えているんじゃないかと思います。